リズム天国 ミラクルスターズのレビュー

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私の発売日配信

総評: ついに日本のメジャータイトルから、ゲームプレイが 100% 画面を見ずにアクセス可能な作品が誕生しました。最高です!開発に携わられた全ての方々に感謝します!あ、でも、どうかお願いですからメダルの枚数と一緒にノリカンの数字を読むようにしてほしいです!

背景という名の長話

リズム天国の話だけ読みたい人は、ここはまるごとすっ飛ばしてください。

本当はしゅっとしたレビュー記事を淡々と書くこともできます。でも、それで語り終わってよいほど、この歴史的転換点は浅くありません。語らせていただきます。

2020年頃、 The Last Of Us シリーズを皮切りとして、海外の AAA タイトルに対して、視覚障害者向けのアクセシビリティ機能が実装され始めました。具体的には、音声読み上げを付けるとか、ゲームの中の出来事を音だけで判別できるようにするとか、どうしても見てやらないとどうにもならないところのプレイ方法をちょっとアレンジするとか。

それらは、単体では素晴らしい者であり、私も大いに楽しませてもらいました。特に、 Spider-man 2 というオープンワールドのゲームがほぼ一人でメインミッション全クリできたときは本当に感動したものです。

しかし、ここで言いたいことが2つ。

その1、特に米国ゲームのアクセシビリティの流れは加速すると思いきや、今は少し下火になってしまっているということ。資本主義におけるビジネスインパクト上の問題、 The Last Of Us シリーズのブラインド・アクセシビリティを牽引した Brandon Cole の突然の訃報、トランプ政権下での Diversity and Inclusion の非活性化……。どれが影響しているのか、全てが影響しているのか。私にはわかりませんが、とにかく、めちゃくちゃ簡単に言えば、私が遊べる AAA ゲームは、ここ最近それほど増えてこなかったということです。

その2、日本は本当はブラインド・アクセシビリティを先駆けで実装していたのにもかかわらず、世界レベルでは後れを取っていたということ。

今回はリズム天国の話をしますが、 リズム天国の開発者は、以前、視覚障害を持つ少年からファンレターを受け取って返事を返していた というエピソードがあります。そして、それ以降、リズム天国ゴールドでは全てのゲームを音だけで攻略可能にし、みんなのリズム天国でパーフェクトキャンペーンの場所を音だけで識別可能にし、そのミームは(個人的には若干薄れてしまったところも感じつつ、それでも)しっかりと3DS版のザ・ベストに引き継がれていきました。つまり、日本では、アクセシビリティのことを(アクセシビリティという言葉を使っていたかどうかは知らないが)考えてくれていた現場は、ずっと前から存在していたということです。

ところが、日本ではなかなかこれが大きな会社としての取り組みには鳴りづらいところがありました。インディーゲームのカブトクワガタがそちら方面で有名になったりという話ぐらいで、各社二の足を踏んでいる感じがしていました。

そんななか、 Switch 2 が OS レベルでの読み上げ機能を実装したことが第一の転換点となり、続いて、今回のリズム天国ミラクルスターズが満を持して発売となりました。私は、これによって「完全にブラインド・アクセシブルなゲームを日本も出した」と自信を持って言えるようになり、また日本人としてそれを大きな声で言えるということに、とても感動しています。今までこの瞬間をどれほど待ち望んだことだろうか。

ちなみに、以前、 Switch 2 の読み上げ機能が初期設定時から使えないことについてこのブログで書きましたが、あれから色々と状況は変化していて、ずっとよい方向に向かっています。それについても書かないと書かないとと思いながら、まだ記事を出すことができていないのは、私の不徳のいたすところであります。古くなった情報のままアップデートをせずに印象を悪くし続けるのは御法度なので、ここで宣言します、1ヶ月以内に書きます。

そういうわけで、長々と関係あることないこと語りまくってしまってすみませんでしたが、いよいよ『リズム天国 ミラクルスターズ』の話をしたいと思います。

レビューしていく

読み上げ機能はほぼ完璧

端的に申し上げます。

『リズム天国 ミラクルスターズ』に搭載されている読み上げ機能は、視覚障害者に対して、ゲームプレイを 100% アクセス可能にします。視力のサポートは、ただの一度たりとも、必要としません!

雑多に、私が素晴らしいと思った点を上げます。

その1、起動直後から読み上げる。これがなんと言っても一番です。少し驚いたのは、ゲーム画面を放置で読み始めるとかですらなく、最初の数コマ分は、見える人も読み上げがある状態で問答無用で進行していくことです。

その2、「もっと読み上げちゃう」モードの存在。私は、リズム天国の新作にメニューの読み上げが付くかどうかは、正直7割5分だと思っていました。ところが、その期待を余裕で超えて、「リズムに合わせてボタン押してるのはいいけど、いったい我々はどこでだれになってなにをやっているんだ?」がわからない、という非常に抽象的な課題に気づいていただき、ゲーム画面での状況説明を追加で入れるモードを作ってくれていました。これは正直予想以上でした。まさに「欲しかった情報」を間違いなく提供してもらえたと感じて感動しました。

その3、読み上げ機能をリズム天国の世界観に自然に調和させたこと。ゲームの中で、「アクセシビリティ」とか「眼が見えない人がわかるように」みたいな表現は一切登場しません。これが素晴らしい。つまり、開発者は我々を「特別な配慮が必要なプレイヤー」としてではなく、「リズムゲームを楽しむたくさんのプレイヤーの一部」として見ているということです。本当にありがたい限りです。

具体的な読み上げ範囲

メニュー: ほとんど全てのメニュー項目を、カーソル移動した瞬間に読み上げます。「みんなで遊ぶ」モードにおいて、名前を設定した後、プレイヤーカラーの選択を読み上げないという報告があるようですが、こちらでは未確認です。

メッセージ: 全てのメッセージを読み上げます。「もっと読み上げちゃう」モードでは、状況説明のための追加のメッセージが挿入されることがあります。

リズムゲーム: 画面上に表示される文字情報はほとんど読み上げているものと思われます。ただし、ゲーム中の風景やキャラクターに関する説明は省略されています。スタッフロール・キャラ紹介は、一切読み上げがありません。『シュート練習』のゲームでは、吹き出しの文字を読み上げます。

リズムスペル: ダンジョンの画面では、選択中のマスの状況を読み上げます。スペルのアップグレード画面では、アプグレ前・アプグレ後のステータスと、その差分を読み上げます。戦闘中は、相手の HP が一定割合まで減少すると読み上げます。自分の HP が回復した場合も読み上げます。

収集要素: 文字が主体となる読み物は問題なく読むことができます。4コマ漫画は、漫画の中の文字情報だけを読んでいるような雰囲気があり、読み上げだけで状況を想像できるかというと若干微妙なところがあります。ゲームプレイに支障はありませんが、まだ解除していない収集要素にカーソルを合わせたとき、読み上げがありません。

複数人プレイ: Switch 2 であれば、名前の入力は Switch 2 の読み上げ機能によって完璧に読まれます。最近のアップデートで、漢字変換の候補を詳細読みできるようになったので、オンスクリーンキーボードは本当に全て完璧に操作ができます。 Switch 1 の場合はこの部分を読まないのですが、それはまあ致し方ないです。

読み上げ機能の唯一の欠陥

これが今のところ本当に唯一の残念なところで、ひょっとしたらただのバグかもしれないのですが。

ノリカンの数字を読めません!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ノリカンは、ゲームプレイに直接影響するものではないのですが、 リズム天国ファンとしては、ノリカンが読めるか読めないかは決定的にユーザー体験に響きます。ゲーム選択画面で、最後にメダルの枚数を読み上げてくれるのですが、ここにノリカンの数字の読み上げが追加されれば本当に本当に本当に最高です。

その他、読み上げで気になったところを雑多に列挙

「ピピッ」はなかなか斬新で面白かった。でも、英語版ではしゃっくりみたいな声になってた。うけた。

『会話』のゲームでは、なにも読み上げていなかったけど、実際になにか会話の文字が出ていたのかどうかはわからなかった。座・ベストの『通訳者』では、通訳した言葉が画面に出ていたので、同じ雰囲気のゲームだったらなにか会話をしているんじゃないかと思ったが。

さすがに4コマ漫画のところを絵の説明まで含めて読み上げはしてなかった。これでわかるかわからないかという意味で言うとこれではわからない。が、逆にそれに読み上げを付け始めたら、読み上げを入れた人だけがアクセスできるコンテンツをもう1個作るみたいになるので、まあそれはそれでどうなのという気もするから、まあこれは見える人と一緒に楽しむぐらいでいいんじゃなかろうか。

スタッフロールを読み切れないことは仕方ないにしても、キャラ紹介は何かしらの読み上げをしてほしかった。

リズム天国ファンとしての感想など

ここからは読み上げとかアクセシビリティとか関係ないです。1ファンとしてのレビューです。逆に1ファンとして普通にレビューできるほどにアクセスできたゲームということになるのでそれはそれでめっちゃすごいことなんだけれど。

良いか悪いか、海外翻訳を意識した様子がうかがえる

かつてのリズム天国は、「かもね」とか、「三つ」とか、ついつい口ずさんでしまうような合いの手が特徴的でした。小学生の時とかも結構それではやっていました。

ところが、今回はおそらく海外版に翻訳するときのことを意識したのかと推測しますが、合いの手が全部言語共通になっていました。日本語版と英語版の映像を両方見ましたが、少なくともステージ1の合いの手は全部同じ音声ファイルが使われていました。ステージを進んでも、日本語に強く依存する合いの手が排除されている雰囲気を感じました。

まあこれは翻訳コストという意味ではよいのかもしれませんが、リズム天国を象徴するような合いの手はこの作品からはなかなか生まれづらいのかーと思うと、ちょっとだけ寂しい気持ちにも鳴りました。正直、合いの手が「なんか言ってるけどなんて言ってるかわかんない」という感じで、ちょっとね。あ、でも『ハードル』の合いの手と、なんでそうなったのかまったくわからないが『プチプチ研究所』の「yeeeees!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」というやつは意味わからなすぎて好きです。

バージョン2はアレンジであってほしかった

最初にある種目をやって、それがバージョン2として難しい者が新たに出てきた時、これまでのリズム天国は、最初の種目で使われていた音楽をアレンジした楽曲が使用されていました。しかし、今回は完全オリジナルが多い印象でした。

特に、『アレの餌』は、最初歌物ですごく気持ちよかったのに、なんかバージョン2になったらこれといって大きな特徴がない普通の曲になってしまい、テンション下がりました……。もしかしたら権利問題とかがあったのかもしれない?知らんけど!

あ、最後のリミックスはアレンジになっていたし、途中のリミックスでフライングディスクの楽曲のアレンジがあったし、それはめっちゃよかったです。

歌物の充実が素晴らしい

歌物が多かったのは普通に最高でした。リミックス2の曲、パラソル2の曲当たりが好きです。

今回、これも海外翻訳を意識したためかなと思うのですが、いろんな言語の曲が使われていました。これはほんとによかった。サウンドルームで全部聴けるのも素晴らしい。

難易度についてなんかたたかれてたけどそんなことないんちゃう

個人的には丁度よく歯ごたえがあって楽しかったです。一部では「やらせる気あるんか」とか言われていましたが、ぜんぜんゲームとしてはよい難易度だと思いました。まあ確かに1の1から裏拍を使ってきたのはやってんなーと思いましたけどw

ドラムレッスンでサウンドルームの全ての曲を使いたかった

もしかしたら使えるのかもしれませんが私はぱっと見使えないんじゃないかと思いました。カッコイイ曲いっぱいあるからドラムたたきたいなー。

音が軽めになった

絵のタッチも変わったのかもしれませんが、ちょっと派手さが薄くなった印象。

カッコイイロック・メタル系の曲がたくさん登場した

まじかっけー。

最後のほうのリミックスは印象が薄かった

それほど躓くこともなかったし、なんか特にリミックス16からリミックス19はもうちょっとやらないと思い出せないぐらいしゅっと終わってしまった。

ビートスペルは面白い

ちゃんと読み上げるし、なんかリズム天国とは思えない世界観してるし、これは最高。

やりこみ要素が多いので長く楽しめる

スコアアタック、ちゃんとしたリズムおもちゃ、ビートスペル、ドラムレッスンなどなどなどなど。しばらくは楽しめそう。全て読み上げるからこそゆったり楽しめる。

棒を受けるやつは普通に空手家でよかったのでは

音は空手家だし。受けるなんて控えめなこと言わず、ぶっ壊しましょうぜ。「三つ」が日本語なので、それをなくすためにゲーム性を変えたのかもしれない。

複数人プレイが楽しみだ

まだ一人でしかやってないので。複数人の種目も30種類あるらしいので、とても楽しみです。

最後に

色々言ってしまいましたが、買ってよかったです。そして、こんなにアクセシブルなゲームが日本から発売されて、私は幸せです。